ふだん着物、もっと普及するといいな

DAY257

こんにちは、ひららんです。

先日Twitterでもアップしましたが、何となく気が向いて久しぶりにふだん着物を着てみました。季節は5月、もう単衣でよかろうということで。


私と着物との出会い

私が初めて着物を着たのは、おそらくゼロ歳のお宮参り。もちろん記憶には残っていませんが、母の着物姿(母が結婚前に袖を通すことができなかった振袖)と一緒に写真に収められています。赤ちゃんって何であんなに可愛いんでしょうね。

ときどき着付けはしてもらっていた

その後、成長するにつれて着物を着る機会がたま~にありましたが、いつも母に着せてもらっていました。成人式は近所の美容室でヘアメイクと併せてお願いしました。母が私のお宮参りのときに着た振袖を着せてもらいました。

結婚式も和装だったし、子供の入学式や卒業式では義母に着せてもらったときもあって、「いつか自分で着られるようになりたいな」という気持ちは常にどこかにありました。

「きものは、からだにとてもいい」(旧:「きものとからだ」)との出会い

そんなとき、三砂ちづるさんが書かれた「きものとからだ」という本に出会いました。あまりにインパクトがあって共感できたのでその後出版された文庫版も迷わずポチってしまいました。三砂さんはあるとき突然、これからは着物で生活するんだと決意して着物生活に飛び込まれた方です。著書から一部引用すると、

それは突然のことだった。きものを着る、という決意である。もう、靴をはきたくない。ストッキングは、はきたくない。もうからだにぴったりした窮屈な下着を着けたくない。ならば、もうきものを着るしかない、という日が、ある日突然訪れた。

(「きものは、からだにとてもいい」講談社+α文庫 16ページ~17ページより)

だったそうです。

「ひゃー、着物を普段着にできるんだ!」と衝撃が走りました。

そして

私もやってみたいな(`・ω・´)

という気持ちでいっぱいになったわけです。

この本は三砂さんのきものに対する愛情があふれていて、「着物を普段着に?そんなん無理やろ」どころか「そんな発想はなかった」私にとって、「そんなことやっていいんだ」と180度意識を転換させてくれるものでした。

最初はお太鼓の練習から

ただ、普段着にできるようなものは持っていなかったので、「まずはお太鼓の練習」と、夜にパジャマがわりの寝間着を着てから帯を結ぶ練習を始めたのでした。DVD付きの本を購入して動画を参考にしつつでしたが、最初は惨憺たる出来で(笑)。

それでも10日ほど続けて練習していくうちに、気持ちのハードルがだんだん下がってきました。

幸いなことに、私にとってきものメンターとして母と義母がいてくれました。結婚の際に持たされた正絹の着物はとてもじゃないけど普段着にはできませんので、近場のリサイクルショップや質屋さんのセール情報をチェックしたり、知人から不要な着物を譲ってもらったりして、ポリエステルの着物を少しずつ集めて練習を始めました。少しずつですが、みっともなくない結び方ができるようになっていきました。

職場デビュー

当時、私は国語と英語の個人指導講師をしていたので、「ちゃんとお太鼓ならドレスコードも大丈夫だろう、むしろ古典を教えるならいいことなんじゃないかしら」と判断して、ある日突然着物で出勤してみました。

評判は上々で、生徒さんたちは驚きつつも「着物って素敵」という感想を持ってくれ、講師仲間からも(お世辞まじりかもだけど)お褒めの言葉をいただきました。

さらに真夏に着たときは、他の国語の先生から「これが○○の作品なんかに出てくるいわゆる『夏物の着物』よ」と補足の説明をしてもらえたりして、盛り上がったりしました。

残念ながら、その職場では「男性も女性もスーツ厳守のこと」という通達がなされたので着て行くことはできなくなりましたが、個人的に家庭教師をしているお宅へは引き続き着物で出勤したりしていました。

そして現在は

自分で着られるようになってからは、子供の入学式・卒業式には天気が良ければ着物で出られるようになりました(ヘアメイクが適当すぎるので美容室でないのがバレバレw)。

着物を着てうろうろしていたら、近所の呉服屋さんから展示会の案内状をいただくようにもなりました。そんなこと初めてだ(^_^; いつかきちんとお邪魔して着付けのことも教わりたい…。

白血病にかかってからはさすがに着付けをする体力・気力ともになくなってしまいましたが、この3月の娘の卒業式にはなんとかして着て出席することができました。お太鼓に自信がなかったので羽織を着ようと思っていたら見つからず、急遽道行に変更して。

道行は朱色っぽい赤、着物はピンクだったので、娘からは「一目見て母さんって分かった」と言われましたw

着物のいいところ

娘の成人式のときに、その補正の仕方や帯の結び方にあらためて「晴れ着って大変」と感じましたが、それはあくまでも晴れの日の装いなんですよね。

日本人はつい最近までみんな着物を着ていたのだから、もっと気軽に着ていいはず。もちろん洋服がラクで便利なシーンのほうが圧倒的に多いですが。

でも着物のいいところ、たくさんあります。

  1. 着ているだけで「おしゃれ」って言われます。洋服のときに言われたこと、ありません(笑)。
  2. アジャスター機能半端ない。20kg痩せてサイズが3L→MときにSになっても、以前着ていた着物が着られます。身長や手の長さが変わらない限り着続けられます。
  3. お腹が冷えない。半幅帯で貝の口にするだけでもお腹周りに何周か巻くことになるので、冬はカイロを入れてるみたいに暖かいし、夏でもお腹が冷えなくて過ごしやすい。
  4. その割に首筋と脇には空気の通り道があるので、暑さを逃がすこともできる。冬は寒いからガードする。

そんなわけで、また気が向いて時間的・体力的に余裕のあるときには、どんどん着たいです。

晴れ着だけじゃなく、ふだんから着られるんだよってことがもっと広がってくれると嬉しい。




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