岡山大学付属病院で造血幹細胞移植を受けた方専用非公式ハンドブック【食事編】

こんにちは、ひららんです。

これまで書いてきた記事の中で、私が化学療法と骨髄移植を受けた際の食事の注意点について、病院からいただいた冊子を文字に起こしたものをもとにまとめてみました。

岡山大学付属病院で造血幹細胞移植を受けた方は皆さん同じ冊子を受け取られていると思います。冊子を取り出せないようなときでもスマートフォンやタブレット等から確認できるよう、あらためてまとめました。

  1. 2017年秋の時点の情報です。もしかしたら更新された箇所があるかもしれません。お手持ちの冊子の情報の方が新しければ、そちらを参考にしてください。
  2. あくまでも私自身が勝手にテキスト化しているものです。岡山大学付属病院から公認の許可を取ったものではありません。もし公開が不適当であると病院の方からご指摘をいただいた際には削除いたします。

上記の点をご理解いただいた上でご利用いただければ幸いです。


骨髄移植前(前処置開始から生着まで)=厳重警戒期

○厳重警戒期に食べられるもの

  • 飲み物
    ペットボトル入り飲料(国産)、缶入り飲料、紙パック飲料・乳酸菌飲料、病棟のポットの湯、ティーパック(個包装)、コーヒー(個包装)、粉末スープ(個包装)、味噌汁(個包装)
    ※開封後24時間以内に飲みましょう。
  • 野菜・果物
    皮が厚い果物(バナナなど)
    ※柑橘類は別欄を参照してください。
    ※傷のない新鮮なものを選び、皮をむいてから2時間以内に食べましょう。
  • 肉・魚・卵
    加熱処理したもの、ソーセージ、缶詰、ゆで卵(固ゆで、ゆでて2時間以内のもの)
  • 乳製品
    プロセスチーズ(※種類別の欄にプロセスチーズと書いてあるもの)、殺菌された牛乳、個包装のバター、個包装のマーガリン、ヨーグルト
  • パン
    あんパン、チョコレートパン、食パン、ジャムパン、カレーパン、メロンパン、ロールパン、冷凍パン、缶詰に入っているパン、デニッシュパン(練り込んで焼いているものならカスタードも食べられます)
    ※個包装されたものを選びましょう。
  • 菓子類
    アイスクリーム・シャーベット・氷(個包装)、ゼリー(果物入りも可)、プリン、焼き菓子、和菓子(生でないもの)、スナック菓子、アメ、ガム、チョコレート
    ※個包装されたものを選びましょう。
  • その他
    レトルト食品、冷凍食品、カップ麺、缶詰(開ける前に水で洗いましょう)、漬け物(個包装されたもの)、豆腐(密閉されて水に浸かっていないもの)、個包装の調味料(醤油、塩、マヨネーズ等)
  • 柑橘類
    温州ミカン、バレンシアオレンジ、ゆず、すだち、かぼす、レモン

×厳重警戒期に食べられないもの

  • 飲み物
    輸入ペットボトル、自家製の氷、井戸水、アルコール、ルイボスティー(免疫抑制剤使用中)
  • 野菜・果物
    生野菜、皮が薄く傷みやすい果物(桃、ぶどう、イチゴ、キウイなど)、独自でカットした果物、ドライフルーツ
  • 肉・魚・卵
    生肉、生ハム、刺身、寿司、生卵、半熟卵、乾物類(するめなど)
  • 乳製品
    ナチュラルチーズ(種類別)、カビを含むチーズ、レアチーズケーキ、生クリーム、カスタードクリーム、殺菌されていない乳製品
  • パン
    クリームパン、生クリームの入ったパン、惣菜パン、サンドイッチ、生ハムの入ったパン
    ※個包装されていても食べられません。
  • 菓子類
    生ケーキ、生菓子、生クリームの入った和菓子・洋菓子、殻付きのナッツ類、吸って食べるアイス(チューチューアイス)
  • その他
    弁当・惣菜、おにぎり、ファーストフード、減塩梅干し、自家製の漬け物、発酵食品(生味噌類、納豆など)、はちみつ、自家製マヨネーズ
  • 柑橘類
    グレープフルーツ、はっさく、スウィーティー、文旦、だいだい、夏みかん、ぼんたん、ザボン、バンペイユ、サワーオレンジ、ネーブルオレンジ、甘夏柑、日向夏、金柑
    ※免疫抑制剤開始前日までは食べられます。
    ※免疫抑制剤使用中は摂取できません。

厳重警戒期に共通する注意点

  • いずれも賞味期限が十分あるもので、開封した日に使い切りましょう。
  • 生着まではハサミやナイフの使用は控えましょう。
  • 個包装でないものは、開封してすぐのものは食べることができます。
    (少ない量のものを選ぶとよいでしょう。)
  • 病棟で用意しているティーパックは生着までご遠慮ください。

移行期(生着後)

○移行期に食べられるもの

  • 飲み物
    ペットボトル入り飲料(国内産)、缶入り飲料、紙パック飲料、氷(市販のもの、製氷機、自家製)、病棟のポットの湯、ティーパック(病棟のものも可)、コーヒー、粉末スープ(個包装)、味噌汁(個包装)
    ※開封後24時間以内に飲みましょう。
  • 野菜・果物
    生野菜(十分に洗ったもの)、果物(十分に洗ったもの、皮の薄いものも可
    ※柑橘類は別欄を参照してください。
    ※傷のない新鮮なものを選び、切ってから2時間以内に食べましょう。
  • 肉・魚・卵
    加熱処理したもの、ソーセージ、缶詰、ゆで卵(固ゆで、ゆでて2時間以内のもの)、塩漬けの魚、酢漬けの魚
  • 乳製品
    プロセスチーズ、殺菌された牛乳、ヨーグルト、バター、マーガリン、カスタードクリーム
    ※清潔なスプーンなどで取り出しましょう。
  • パン
    あんパン、チョコレートパン、食パン、ジャムパン、カレーパン、メロンパン、ロールパン、デニッシュパン、冷凍パン、缶詰に入っているパン、クリームパン、惣菜パン、サンドイッチ
    ※個包装以外のパンも食べられますが、焼きたてか、食べる前に焼き直してから食べましょう。
  • 菓子類
    アイスクリーム、シャーベット、かき氷(個包装)、吸って食べるアイス(チューチューアイス)、ゼリー(果物入りも可)、プリン、焼き菓子、和菓子(生でないもの)、スナック菓子、アメ、ガム、チョコレート、加熱調理したナッツ
    ※個包装されたものを選びましょう。
  • その他
    レトルト食品、冷凍食品、★弁当・惣菜、おにぎり(できるだけ作りたてのもの)、カップ麺、缶詰(開ける前に水で洗いましょう)、個包装でない漬け物、梅干し、調味料(醤油、塩、マヨネーズ等)※個包装でなくても可、豆腐、納豆★ファーストフード★院内や清潔なレストランでの食事
    ★は、医師に確認してからになります。
  • 柑橘類
    温州ミカン、バレンシアオレンジ、ゆず、すだち、かぼす、レモン

×移行期に食べられないもの

  • 飲み物
    輸入ペットボトル、井戸水、アルコール、ルイボスティー(免疫抑制剤使用中)
  • 野菜・果物
    ドライフルーツ、サラダバーやバイキングの生野菜(注:要は店頭売りでも覆われていないものはNG)
  • 肉・魚・卵
    生肉、生ハム(注:普通のハムは大丈夫)、刺身、寿司、生卵、半熟卵、乾物類(するめなど)
  • 乳製品
    ナチュラルチーズ、カビを含むチーズ、生クリーム、レアチーズケーキ、殺菌されていない乳製品
  • パン
    生クリームの入ったパン、生ハムの入ったパン
    ※個包装されていても食べられません。
  • 菓子類
    生ケーキ、生菓子、生クリームの入った和菓子・洋菓子、殻付きのナッツ類
  • その他
    減塩梅干し、自家製の漬け物、発酵食品(生味噌類)、サラダバー、ドリンクバーの氷、はちみつ(低温殺菌されていないもの)、自家製マヨネーズ、セイヨウオトギリソウ
  • 柑橘類
    グレープフルーツ、スウィーティー、はっさく、文旦、だいだい、夏みかん、ぼんたん、ザボン、バンペイユ、サワーオレンジ、ネーブルオレンジ、甘夏柑、金柑、日向夏
    ※免疫抑制剤使用中は摂取できません。

退院後の食事について

☆調理のポイント

  • 買ってきた食品はすみやかに冷蔵庫に保存しましょう。
  • 肉や魚、卵は新鮮なものを選び、調理するときは75℃以上で1分加熱しましょう。
  • 魚介類は新鮮なものでも真水でよく洗いましょう。
  • 2枚貝は中心部まで十分に加熱しましょう(85℃、1分以上)。
  • 自然解凍は菌が増えるため、解凍は電子レンジですみやかに行いましょう。
  • 野菜はしっかり洗いましょう。加熱できない生野菜は最初に調理しましょう。
  • 最後に肉・魚を調理することで、肉・魚介類に付着している微生物が他の食品に付着することが避けられます。
  • 加熱調理後はすみやかに食べましょう。残った食品の再加熱による食中毒もあるため、できるだけ食べきれる量を調理するようにしましょう。
  • 保存する場合は、食品中での菌の増殖を阻止するため、加熱調理後すみやかに行い、10℃以下か55℃以上を保つようにしましょう。

☆調理する方の衛生について

調理する方の手指から食材・調理器具・食器に細菌等が付着し経口的に体内に侵入してしまうことを防ぐため、調理する方も健康管理には十分配慮し、調理前にはせっけんと流水による手洗い、アルコール手指消毒をしっかりと行いましょう。また、肉・魚介類の調理後にも手洗いをしましょう。

☆調理器具の衛生について

まな板、包丁などの調理器具は、生肉・生魚等と、その他の食材とで区別しましょう。肉・魚介類に使用した包丁・まな板は、洗剤でよく洗い、熱水消毒(85℃以上の熱水で1分以上)するか、塩素系漂白剤(ハイターなど)で消毒しましょう。

☆消化管症状が出現した場合

消化の良い食事をこころがけましょう。食べることで悪化する場合は、腸管の安静のため、制限がかかることがあります。

冊子からの引用は以上です。長くなりましたが、お役に立てれば幸いです。

おまけ:退院後に確認した、免疫抑制剤を服用中に迷った食品

以下は、退院してから迷ったときに先生や看護師さんに質問したものです。随時追加していきます。

  • ポカリスエット飲めますか?
    →グレープフルーツ果汁が使用されているため、NG。アクエリアスは香料だけなのでOK。
  • ビスコやチョコパイ、シルベーヌ等のクリームが使われているお菓子は?
    →生のクリームではないのでOK。見分ける目安は賞味期限が長いかどうか。
  • 手作りの焼き菓子を食べられるのも焼いてから2時間後まで?
    →焼き菓子であれば、冷暗所に保管しておけば1日くらいなら大丈夫
  • ご飯をまとめて冷凍してストックしておいてもいい?
    →常識の範囲でなるべく早く食べ切るならOK
  • 浄水器を通したお水はそのまま飲んでもいい?
    →たとえ浄水器を通した水でも蛇口からの生水はやめときなさい。ペットボトルのお水がいいよ。

なにしろ長い長い戦いです。長い目で、一日一日を過ごして乗り切りましょう!

0 件のコメント :

コメントを投稿