まるちゃん、またね。-さくらももこさんを偲んで-

えぇっ?

その一報を聞いた時、私は一瞬固まってしまった。

子供の頃から慣れ親しんできた漫画家のさくらももこさんが、今月半ばに乳がんで亡くなられていたという。

 第一報は Facebook の友人からのものだった。

その日に限って家事を済ませてからゲームをしたり動画を見ながら編み物をしたり夕方までほとんどツイッターを見ることもなく夜のニュースを見ることもなかった私だったが、
夜になって Facebook ページを開いた時に真っ先に飛び込んできたのがこのニュースだった。

友人も冒頭で「えぇ?」と書いていた。

私も Twitter で 「えええええええええええええええええええええ」 と書くしかなかった。

おそらくこの知らせを聞いた人はほぼそう言ったのではないかと思うほどの衝撃だった。

私がちびまる子ちゃんと出会ったのは、妹が当時読んでいた雑誌の「りぼん」だった。

連載の1回目からこれまでにない面白さを感じて、すぐファンになった。

まるちゃんの独特な視野に何度もニヤリとしたものだった。

私とほぼ同世代の多くが感じていただろうと思われる出来事がさくらももこさんの視点で生き生きと描かれていて、登場人物もどこにでもこんな人いるよね、こんな子いるよねと楽しめるものだった。懐かしい思い出が山のように、いや宝石箱のように詰まっている。

いちいち例をあげるときりがないが、まるちゃんが大好きだったヒデキや百恵ちゃん、大流行したヨーヨー、憧れだったたまご麺の景品、お姉ちゃんとのやり取り、 お母さんのお小言、おじいちゃんとの仲の良さ、本当にたくさんの「昭和あるある」が詰め込まれていると思う。

クラスメイトもユニークな子たちばかりだったよね。

あなたはどんなタイプでしたか?

白状すると私はお姉ちゃんとみぎわさんを足して割ったような感じです(てどんなだよ)

私は初期の頃のちびまる子ちゃんしか読んだことがないので、大好評だったさくらももこさんのエッセイは実は読んだことがないんです。新しい作品もほとんど知らなかった。アニメも最近はほとんど見ていない。

でも、ある友人が言っていたんだけど、

たとえ自分が読んでいなくても見ていなくても、まるちゃんとはずっと一緒に歳をとっていくような気がしていた

さくらさんが闘病されていたことは知らなかった。

まさかこんなに早く旅立たれることになるなんて想像もしていなかった。

実際に闘病されていたのはさくらももこさんなのに、何だか「まるちゃんが大人になって病気になって戦っていたのだなあ」という気がしてならない。

さくらさんが選ばれた治療法は知らないけれど、おそらく抗がん剤治療のため化学療法も入っていたのではないかと拝察する。

昨年、私は血液の癌である急性白血病にかかった。たくさんの化学療法と骨髄移植を乗り越えて、今がある。

同じではないかもしれないが、同じような苦しみを同じような時期に(かどうかは不明だけど)まるちゃんも抱えていたんだなと思うと、ほんとうにもう他人事とは思えない。

2008年に大好きだった氷室冴子さんが亡くなられたことも私にとっては大きな衝撃だった。

でも10年前と今回の知らせで、その重みが違うということを痛感している。

自分も死と向き合った。

同じ血液疾患で残念ながら旅立ってしまった仲間もいる。

そして学生の頃から幼馴染のような感覚にさせてきてくれたまるちゃんが旅立ってしまった。

今頃はもう苦しみから解き放たれているかな

大好きだったヒテキと一緒に歌って踊っているかな

悲しんでいる私たちに向かって

「何よもう、泣いてるんじゃないわよ。どうせ人はいつか死ぬんだからさー」

という彼女のあの口調で呟いていたりするのかな

余談ですが「ちびまる子ちゃん」という作品はただのエッセイ漫画ではなく、昭和という時代のごくふつうの家庭生活を鮮明に分かりやすく、そして明るく歴史に残してくれる偉大な作品となったと思います。

さくらももこさんのご冥福を心よりお祈りいたします。

まるちゃんありがとう。

また、いつか。

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